2022.12.01
検診
どうも!陽だまりデンタルクリニック 豊田です!
前々回に『あら?この症状多いぞ?』でブログを書きますと言いながら書いていませんでした。 すいません。
今回は開業から3か月が経過して、多いなーと感じる症状を説明していきます。
それは WSD(くさび状欠損)です。
先に簡単に歯の説明をしていきます
歯は見えている部分の最表面にエナメル質、歯肉や骨の中に埋まっている部分の最表面にはセメント質、そして、エナメル質やセメント質の内側には象牙質、象牙質の内部には神経や血管が含まれる歯髄があります。
エナメル質は身体の中で一番硬い組織であり、感覚がないので削っても痛くありません。もし虫歯がエナメル質までであれば麻酔もいらないでしょう。その内側にある象牙質には神経の細かい枝があるので痛みを感じます。
WSDは歯と歯ぐきとの境目のえぐれているようになっている部分で、歯の最表面にあるエナメル質とセメント質の境目に起こった欠損です。この部位は歯の表面が削れているので虫歯の原因になったり、歯の表面が削れているので凍みたり、場合によっては痛みが出てきて神経をとらなければいけなくなったり、進行しすぎると歯が折れてしまうこともあります。
では、なぜこのような位置に欠損ができるのでしょうか? 実をいうとはっきりとした原因は判明しないんです。ただ、現在有力と思われる学説には二つあります。
一つは歯ぎしりや食いしばりををすることにより歯がたわみ、歯の歯頚部部分に力の集中して歯が欠けてしまう学説
二つ目は歯磨き粉をつけて力いっぱいゴシゴシすることで歯が欠けてくるという学説があります。
この1つ目の学説は実験で再現できていません。再現できているのは2つ目の歯ブラシ説だけらしいです。 じゃあ、歯ブラシが原因でかけてきたことが確定では?と思いそうですが、私自身の経験や感覚的には歯ブラシだけとは言いにくいです。経験上、歯ぎしりや食いしばりがある方ほど欠損ができている印象です。
そのため、当院ではWSDが多発している方には二つの学説に対する治療法を提案しています。
その治療法は歯ぎしりや食いしばりの影響を減らすためにナイトガードの作成をすすめつつ、ブラッシング圧を愛護的にするよう歯科衛生士さんに指導してもらいます。
慣れた歯磨きの方法を変えることは大変です。しかし、変更せずに続けて痛みや凍み、最悪なケースの破折が起こるよりはいいですよね。
歯は生まれてからすぐに乳歯がはえて、6歳くらいから永久歯に生え変わり、死ぬまで使います。非常に長く使う体の一部です。骨などは常に新陳代謝されていますが歯は一度できると生え変わることはありません(表面が回復する再石灰化はあります)
つまり、ゴシゴシ磨きすぎたり、かたいものを咬んで欠けたりしたら元には戻りませんよ!
心配しすぎて生活に支障が出るのは面白くないと思いますが、長く使えるように大切にするのは良いことです。
健康な歯とともに長い人生を過ごしてくださいね。
ACCESS