むし歯をとった後は何を詰めればいい②?

2023.04.02

一般歯科小児歯科検診

こんにちは!陽だまりデンタルクリニックです!

このブログを見ている患者さんがいらっしゃって(正直意外でした)、もっと詳しく書いてもらえませんか?と言われましたので、ご要望に応えまして詰め物の詳細を書いていこうと思います。

まずは種類です(当院で扱っている修復素材のみを記載します)。

保険材料:コンポジットレジン(CR)、CAD/CAM(ハイブリッドセラミックレジン)、金銀パラジウム合金(銀歯)

自費材料:ジルコニア、セラミック(e-max)、金合金

保険は日本どこでも治療してもらえる歯科材料です。自費材料はクリニックによって差があります。扱う材料の判断基準は人それぞれですが、私の場合は審美性から耐久性、清掃性など、トータルを考慮して選択しております(これは次回に回しますね)。

ではまず私が非常に頻繁に使用するコンポジットレジン(CR)の説明です。

CRは一言でいうと”プラスチック”です。

セラミック粒子と合成樹脂を混ぜ合わせた白いプラスチック素材のことです。 柔らかいのプラスチック歯科材料を歯に詰め、光を当てて固めるという治療方法で、最小限の治療で済むので歯への負担が少ないといわれています。

小さな虫歯や前歯の治療時に適しており、金属やセラミックの詰め物に比べ歯を削る量が少ないことから、低侵襲の治療法として広く知られています。現在は材料の耐久性も向上しており奥歯などの強い力がかかる所でも、ある程度使用できます。きれいにできれば見わけも付きにくいです。

デメリットは吸水性があるため、長期間使っていると変色したり、擦り減ってきたりしやすいのがデメリットです。 また、セラミックのような美しい歯の色を再現することはできません。

あとは先生のスキルにかなり依存します。慣れていない先生が行うと段差になったり清掃性が悪くて再度虫歯になってしまう可能性があります。

私はCRをよく行いますので、この治療を正直言ってかなり神経を使います。

次はCAD/CAM(ハイブリッドセラミックレジン)です。

”ハイブリッドセラミックレジン”とは、CRよりも丈夫な素材で、光で固めるCRに比べ、高度に重合されたハイブリッドセラミックレジンのブロックを機械によって削り出すため、CRにくらべると割れにくく硬いと言われています。

CAD/CAMは歯に似た白色なので、銀歯に比べて見た目がよく、金属ではないので金属アレルギーが起こりにくいです。料金は自費セラミックに比べ、保険適用なので安価でできます。

デメリットは再現できる色調が単調で、表面が劣化しやすく、長く使用すると変色してきます。セラミックや金属に比べて強度が劣るため、歯ぎしりや食いしばりで欠けたり、割れたりする可能性があります。またプラスチックの性質上、傷がつきやすくプラークが付きやすいため、時間とともに汚れが付きやすくなります

次は金銀パラジウム合金、アマルガム いわゆる”銀歯”です。

銀歯とは水銀・金・銀・銅・パラジウムなどの金属で構成された合金製の人工歯です。 保険診療で虫歯を治療した際に作られる金属製の詰め物・被せ物が銀歯にあたります。 昨今銀歯がなぜ悪いと言われているのかというと、銀歯の数多くのデメリットがあるからです。

銀歯は金属なので虫歯で失った歯を大きく被覆する場合は、耐久性の面、あとは費用の面でよいと思います。しかし、銀歯はそれを上回るデメリットがあります

まずは安全性です。日本の安全性基準には一定水準クリアしていますが、ヨーロッパの一部では、成分の問題で使用を禁止されているところもあります。特に水銀・パラジウムやニッケルなど有害金属が含有されており、全身的な免疫力の低下によりアレルギーの発症(免疫不全症候群)や発がんのリスクが高まります。これらの金属は少しずつ溶け出すので徐々に体に蓄積します。
日本の保険診療の治療法や材料などは、およそ50年前に作られた古い方法なのです。医療が進化した今日でも、その頃に定められた安全基準を満たす金銀パラジウム合金で治療を行っているのが現状です。

次に、むし歯になりやすい傾向があります。大人のむし歯は、歯と銀歯の間からできることが多く、歯みがきの仕方の良しあしもありますが、銀歯の劣化もかかわっています。口の中は、酸性、アルカリ性、熱くなったり、冷たくなったりと環境が変化します。その中に金属がさらされているわけなので早く劣化してしまうのです。

さらには歯茎の黒ずみや金属アレルギーの原因になります。銀歯から溶け出す金属イオンが原因で、歯茎が黒ずむことや、金属アレルギーを引き起こし、全身がかゆくなったりかぶれたりすることがあります。

あとは銀歯そのものや、経年劣化でかけたところに汚れが溜まります。銀歯の表面には、極小の傷がたくさんあり、そこに汚れや細菌が詰まると、歯をみがく程度では取り除けません。細菌が溜まっていくことで、お口の中にベトベトしたり、嫌なにおいがしてきます

最後に見た目で目立つという審美性です。

白い歯の中で銀歯があると目出ちます。ただ、これに関しては個人の主観によりますので、そこまで私が言うことはないです。

以上が保険治療の範囲内で扱える歯科材料です。

私の歯にも銀歯が入っています。ただ、これらの銀歯はかなり昔に入れていて(知識があまりない学生時代に入れています…)現在まで問題ないのでそのままにしています。ただ少しでも悪くなったりしたら再度銀歯を入れることはありません。また、家族にも入れる予定はないです(それ以前に虫歯にしないようにしたいですが)。

もちろん、少なくとも自分が見る患者さんにも入れたいと思いません。

海外でよくないと言われている素材ををあえて入れるのは本当に心苦しいです。

ただ金銭的な面でどうしても銀歯を入れざるを得ないケースも出てきます。

安くて良い材料が出てほしいですね。難しいです…

次回は保険外の材料に関して書いていきますね。

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鹿児島県鹿児島市下竜尾町3番14

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