2023.06.29
陽だまりデンタルクリニック 院長です!
今回は「妊婦さんとお口の健康」に関して書いていきます。
妊娠後の身体の反応は個人差がすごい!
妊娠すると病院や保健所で歯科検診をすすめられることが多いと思います。
それは妊娠期間につわり(食べつわりも)などで食事や間食が増えるのに、食事後に歯ブラシが難しくなるなどでむし歯のリスクが高くなるからです。でも、つわりも人によっては全然無い人もいるので、そういう方は問題なく口腔ケアができます。
また、妊娠中は女性ホルモンの変化により、お口の状態も変化します。例えば、歯ぐきの腫れや出血、唾液の増加などが起こることがあります。これらの変化によって、口内環境が不安定になり、口腔トラブルが起こりやすくなることがあります。
ちょっと詳しく説明すると、
むし歯や歯周病のリスクが高まり、トラブルが起こりやすくなる:妊娠中は食生活の変化やつわりの影響で口の中の環境が悪くなり、むし歯や歯肉炎(妊娠性歯肉炎)が起こりやすくなります。
早産や低体重児出産のリスクがある:むし歯菌や歯周病菌が体内に入り込むと、早産や低体重児出産のリスクが高まると言われています。経験的に少数ですがいます。
赤ちゃんにむし歯をうつしてしまう可能性がある:生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはむし歯菌はいませんが、大人の唾液が赤ちゃんの口に入ることで感染するため、一緒に生活する人もむし歯治療を受ける必要があります。
出産後は通院が難しくなる:赤ちゃんのお世話に追われて歯科医院に行く時間を確保するのが難しくなりますので、妊娠中に治療を受けることがおすすめです。
じゃあ妊娠してるから検診を受けよう!ってなったら覚えておいてほしいことがあります。
まず、妊娠中の治療は、お腹が大きくなる妊娠後期ではあお向けの治療が難しくなるため、(妊娠5-7か月:安定期といわれる期間)に受診することをおすすめします。すむ地域によって、妊婦歯科検診や産婦検診を無料で行っているところや治療費の一部を負担してくれる場所もあります。
歯科検診では、むし歯や歯周病の有無、歯石の有無などを診ることが一般的ですが、診療前には必ず妊娠中であることや体の状態を歯科医に伝えることが大切です。妊娠に合わせた検査や治療を受けることができます。治療時には必要に応じて産婦人科医に相談することも大切です。
また、心配な点としてはレントゲンや麻酔、お薬の使用ですが、歯科医院で使用されるレントゲンは放射線量が非常に少なく、胎児に影響を及ぼす心配はありません。もちろんレントゲンを撮りたくない人に無理に撮ることはありません。麻酔も歯ぐきにごくわずかな量しか使用されず、母子への危険性はほとんど報告されていません。また、安定期であれば麻酔を使用することが推奨されます。鎮痛剤や抗生物質も影響の少ないものが処方されます。
親知らずについては、妊娠前に問題が予想される場合は抜歯がおすすめです(ほとんどの人が嫌がりますね)。ただし、妊娠中に痛みが出た場合は安定期に抜歯するか、抜歯せずに産婦人科の先生と相談しながら消毒や薬の使用などの対処法を検討します。
この麻酔やレントゲン等の使用に関してはリスクとベネフィットをしっかり理解し選択することが大切です。これは妊娠期間に限らず絶対的に安全な物は無いからです。妊娠に対する影響は心配だけど安全性がかなり高いのであれば使用した方が良いお薬や治療は割とあります。ですから何事も相談してみてください。
妊娠中の歯科検診は、赤ちゃんのためにも大切な準備です。また、自分自身の子どもに対する意識の向上にもつながります。
安心して出産を迎えるために、私たちがサポートいたします。お気軽にご相談ください。
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