2023.09.23
一般歯科検診
どうも!陽だまりデンタルクリニック 院長です!
最近、自分が年を取るとともに、自分だけではなく、周囲の人の健康に関しても考える場面が多くなりました。
その健康と自分が仕事にしている歯にはどういった関係があるのかを書いていきますね。
まず過去に発表されている歯と健康に関する論文を検索したところ、いくつかわかりやすい論文が出ていたのでご紹介します。
年齢が上がるとともに転倒のリスクが高まります。この転倒に関してでは
歯が19本以下で入れ歯を使用していない人は、歯が20本以上ある人と比較して、転倒のリスクが2.5倍高いことが示されています。(yamamoto et al., BMJ Open.2:e001262,2012)
次に高齢化とともに増加している認知症に関してですが、
歯を失って入れ歯を使っていない場合、歯が20本以上残っている人や、歯が少なくても入れ歯により噛むことができる人と比べて、認知症の発症リスクが最大で1.9倍高くなることが分かりました。(yamamoto et al., Psychosomatic Medicine,2012)
さらに、これまた高齢化すると避けられない介護に関してですが、
歯が19本以下の人は、歯が20本以上ある人と比べて要介護認定を受ける可能性が1.2倍高いことが示されています。つまり、歯の数が多いほど要介護になるリスクが低いことが明らかになりました。(Aida et al., Journal of American Geriatric Society,60(2):338-348,2012)
他にもたくさん論文はあるのですが、今回はわかりやすいものを参考にしてみました。
論文は色々なものがあります。はっきり言って玉石混交で自分に都合のいいものを探せば1個くらいあるものです。ただ、今回のテーマに関しては差があるものの、大概の論文は 歯が多く残っている人、歯が無くなった部分を何らかの方法で咬めるようにしている人の方が高齢化にともなって起こりやすいリスクを減らす傾向がありますよ! と言う内容でした。
他にも美味しい食事がとれることは幸福度にも関わってきます。
「食の満足度および歯科保健行動と現在歯数の関連について」(公益財団法人8020推進財団 指定研究事業報告2007より)と言う報告書があるのですが、
55~75歳の人を対象に行った調査において、歯の平均本数が約20本以上ある人は「食事がとてもおいしい」と感じ、歯の平均が約11本という人は「食事が美味しくない」と感じているようです。
私自身も年を取ってきて以前よりも食事が楽しみになっています。その食事をしっかりとれないことはきっとストレスに感じますよね。
私は歯が無いと人生不幸だ!絶対将来的に不健康だ!なんて言う気は全く無いです。
ただ、より良い生活を過ごす上で、より多く歯を残しておいた方がいいかな~くらいに感じてます。
そのためにも定期的に検診に来て、怪しいところは早めにチェックしましょう!と言う話でした。
長くなりましたが、ではまた~
ACCESS