『口腔機能発達不全症』を知っていこう!①

2024.05.06

一般歯科小児歯科検診

鹿児島県鹿児島市で開業している陽だまりデンタルクリニックの院長です。

今回は、近年注目を集めている「口腔機能発達不全症」について、分かりやすく解説していきたいと思います。

このブログ記事では、

  • 口腔機能発達不全症とは何か
  • 原因と症状
  • 治療法
  • 予防法
  • 専門医の選び方

など、口腔機能発達不全症に関する幅広い情報を網羅しています。専門用語をできるだけ使わず、一般の方にも理解しやすい内容を目指しました。

お子様の口周りの発達に不安を感じている方、口腔機能発達不全症についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
このテーマは内容が多いので2部に分けて書いていきますね。

目次

  • はじめに
  • 口腔機能発達不全症とは?
  • 原因
  • 症状

はじめに

近年、小児歯科領域において「口腔機能発達不全症」という病名が注目されています。

これは、先天性の疾患などがないにもかかわらず、食べる、話す、呼吸などの口の機能が十分に発達していない状態を指します。

以前は「構音障害」や「摂食障害」などの症状として捉えられていましたが、近年では口腔機能全体の異常として捉える考え方が広まっています。

口腔機能発達不全症とは?

口腔機能発達不全症は、以下の3つの機能が十分に発達していないか、正常な機能獲得ができていない状態を指します。

  • 食べる機能(摂食機能)
  • 話す機能(構音機能)
  • 呼吸機能

これらの機能は、互いに密接に関係しており、いずれかの機能に問題があると、他の機能にも影響が出てくることがあります。

例えば、食べる機能が低下すると、栄養不足や成長発達に遅れが生じる可能性があります。話す機能が低下すると、コミュニケーション能力が低下し、社会生活に支障をきたす可能性があります。呼吸機能が低下すると、睡眠時無呼吸症候群などの病気を引き起こす可能性があります。

原因

口腔機能発達不全症の原因は、まだ完全には解明されていませんが、以下のような要因が考えられています。

  • 遺伝的要因:家族内に口腔機能発達不全症の人がいる場合、発症リスクが高くなることが分かっています。
  • 口腔周囲の形態異常:口唇や舌、歯並びなどに異常がある場合、口腔機能の発達が阻害される可能性があります。
  • 脳機能障害:脳卒中や脳腫瘍などの脳機能障害が原因で、口腔機能の発達が阻害されることがあります。
  • 環境要因:指しゃぶりや口呼吸などの習慣、固形物の摂取不足などの環境要因が、口腔機能の発達に悪影響を与える可能性があります。

症状

口腔機能発達不全症の症状は、年齢や個人差によって様々ですが、以下のようなものが挙げられます。

  • 食べる機能(摂食機能)
    • 哺乳瓶や離乳食の移行が遅い
    • 食べ物をこぼしやすい
    • よくむせる
    • 噛むのが苦手
    • 偏食がある
    • 食べるのに時間がかかる
  • 話す機能(構音機能)
    • 発音が不明瞭
    • 言葉が遅れる
    • 鼻にかかったような声で話す
    • どもる
  • 呼吸機能
    • 口呼吸が多い
    • いびきをかく
    • 睡眠時無呼吸症候群がある

これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、自信喪失やいじめなどの二次的な問題を引き起こす可能性もあります。

次回は実際に行われている治療法などを書いていきますね。
ただ、具体的な方法などは記載しないので、参考程度に読んでください。

ご質問やご意見があれば、コメント欄にてお気軽にお寄せください。

次回②になります。
ではでは~

参考文献

  • 厚生労働省「平成28年度歯科疾患実態調査」
  • 日本小児歯科学会「口腔機能発達不全症診療ガイドライン」
  • 全国言語聴覚士養成施設連絡協議会「口腔機能発達不全症の理解と支援」

その他

  • このブログ記事は、あくまでも一般情報提供を目的としたものであり、個別の診断や治療に関するものではありません。
  • 口腔機能発達不全症に関する具体的な治療法や予防法については、専門医にご相談ください。

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〒892-0852
鹿児島県鹿児島市下竜尾町3番14

電話番号

TEL.099-210-7836

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