2024.06.02
小児歯科
鹿児島県鹿児島市、陽だまりデンタルクリニックの院長です。
今回は、「口腔機能発達不全症」の治療法、予防法、専門性の高い治療施設の選び方について簡単に
お話をしていきます。
振り返りになりますが、口腔機能発達不全症とは、口腔内の機能が正常に発達しない状態を指します。具体的には、噛む、飲み込む、話すといった基本的な口腔機能に問題が生じます。
口腔機能発達不全症の治療法は、多岐にわたります。ここでは、代表的な治療法をご紹介します。
不正咬合や歯並びの問題がある場合、矯正治療が有効です。矯正治療により、歯列や咬合を整え、正常な口腔機能を取り戻します。
発音障害がある場合は、言語聴覚士によるトレーニングが有効です。はっきり言って歯科医師よりも言語聴覚士の方々の方が専門性を持って取り組んでいるので、言語聴覚士に見てもらう方が良いと思っています。発音の練習や、正しい言葉の使い方を指導します。特に、音の出し方や口の動かし方を細かく指導することで、発音の改善を図ります。
これは一般的にMFT(口腔筋機能療法)といって、口腔内の筋肉を強化するための訓練も重要です。特に舌や頬の筋肉を鍛えることで、噛む力や飲み込む力を向上させます。具体的には、舌の運動や口を開閉するエクササイズなどが含まれます。
食生活の見直しも大切です。硬い食べ物や多様な食材を摂ることで、自然に口腔機能が鍛えられるよう指導します。栄養バランスの取れた食事を心がけることで、口腔機能の向上が期待できます。
口腔機能発達不全症を予防するためには、日常生活での工夫が重要です。以下の予防法を実践しましょう。
バランスの取れた食事を摂ることが大切です。特に、硬い食べ物を積極的に取り入れることで、自然に噛む力を養います。野菜や果物、ナッツなどを取り入れると良いでしょう。
定期的な歯科検診を受けることで、早期に問題を発見し、適切な対応が可能となります。特に成長期の子どもにとって、早期の対策は非常に重要です。
哺乳瓶の使用期間を適切に管理することや、指しゃぶりを早期にやめさせることなど、日常生活における習慣を見直すことも予防につながります。適切な指導を行うことで、正常な口腔機能の発達をサポートします。
口腔機能発達不全症の治療には、専門医の診断と治療が重要です。ここでは、専門の選択について簡単に説明します。
口腔機能発達不全症という概念に関する歴史が浅く、豊富な経験をもった指導者が少ないのが現状です。ただ、私の感覚として、口がポカーンと開いていることや歯並びが原因で話しづらい等は「歯科医師」、硬いものが食べられない、発語が遅い等の症状がある場合は「言語聴覚士」がいる病院や専門施設が望ましいと思っています。
口腔機能発達不全症は、噛む、飲み込む、話すといった基本的な口腔機能に影響を与えるため、日常生活において大きな不便を感じることがあります。しかし、早期の発見と適切な治療・予防を行うことで、改善が期待できます。
日常生活でのちょっとした工夫や定期的な歯科検診を通じて、口腔機能発達不全症を予防し、健康な口腔機能を維持しましょう。
今回のブログが、皆さんのお役に立てば幸いです。今後も、口腔の健康に関する情報を提供していきますので、ぜひご期待ください。質問やご相談がありましたら、陽だまりデンタルクリニックまでお気軽にお問い合わせください。
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