災害時でも歯を守る!今できる口腔ケアのススメ

2024.08.18

一般歯科

こんにちは、陽だまりデンタルクリニック 院長です!

先日、日向灘付近で地震ありましたね。

今後南海トラフ関連の地震が起こる可能性もあるので、災害時における口腔ケアの方法も頭の片隅に入れておいてもらえると幸いです。

日本は地震大国であり、台風などの自然災害も多い国です。
「備えあれば憂いなし」とは言いますが、実際に災害に遭うと、普段通りの生活を送ることが難しくなります。
ライフラインが断たれ、水や電気が使えなくなるだけでなく、食生活も変化し、心身ともに大きなストレスを抱えることになります。

そして、このような過酷な状況下では、健康を維持することが何よりも重要になりますが、見落としがちなのが「口腔ケア」です。

「歯みがきなんて、後回しでいいのでは…?」

そう思っていませんか?

実は、災害時こそ口腔ケアが非常に重要なのです。
今回は、被災経験者の声も交えながら、災害時における口腔ケアの重要性と、今できる備えについて、歯科医師の立場から詳しく解説していきます。

なぜ災害時に口腔ケアが重要なのか?

災害時は、避難生活による環境の変化やストレス、食生活の変化などにより、私たちの体は想像以上にダメージを受けています。そして、それは口腔内にも大きな影響を及ぼします。

・免疫力の低下
不衛生な環境、栄養不足、睡眠不足、ストレスなどは、免疫力の低下を招きます。
免疫力が低下すると、口腔内では細菌が繁殖しやすくなり、様々なトラブルを引き起こす原因となります。

・水不足
歯みがきや洗口はもちろん、十分な水分補給が難しくなるため、口腔内が乾燥し、細菌が繁殖しやすい状態になります。唾液には、口腔内を清潔に保つ自浄作用がありますが、水分不足になると唾液の分泌量が減ってしまい、その効果も期待できなくなってしまうのです。

・食生活の変化
避難生活では、柔らかい食品やインスタント食品など、糖質の多い食事になりがちです。食事の内容が偏ると、栄養バランスが乱れ、口腔内の抵抗力が低下することに繋がります。また、糖分は虫歯の原因となるプラーク(歯垢)を作り出すため、虫歯のリスクも高まります。

口腔ケアを怠るとどうなる?具体的なリスクとは

口腔内環境が悪化すると、虫歯や歯周病が悪化するだけでなく、肺炎などの呼吸器疾患、心臓病、脳血管疾患、糖尿病など、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

被災経験者はこう語ります

過去の災害では、多くの人々が口腔トラブルに悩まされ、健康を損なってきました。

「東日本大震災の時は、水が貴重で歯みがきなんてほとんどできなかった。そのせいか、口の中がネバネバして、口臭もひどくなってしまった…」(50代女性)

「避難所生活でストレスが溜まっていたのか、歯茎が腫れて痛くなった。歯みがき粉も底をついてしまい、本当に困った…」(40代男性)

実際に口腔トラブルを経験し、後悔しているという事実を、私たちは重く受け止める必要があります。

今できる備えとは? 災害時でも安心!口腔ケアアイテム

「災害時は、水や電気が使えないかもしれない…」
「いつも通りの口腔ケアができるか不安…」

このような不安を解消するために、非常持ち出し袋に口腔ケア用品を入れておきましょう。

【水が使えない時でも安心!おすすめアイテム】

口腔ケア用ウェットシート
歯や歯茎、舌の汚れを拭き取ることができます。
殺菌・消臭効果のあるものを選ぶとさらに効果的です。
個包装になっているものなら、衛生的で持ち運びにも便利です。

口腔ケア用ジェル
歯ブラシに付けて磨いたり、指で歯に塗布したりすることで、歯垢の付着を抑制し、口腔内を清潔に保ちます。

入れ歯洗浄剤シート
水が使えない状況でも、入れ歯を清潔に保つことができます。

【水が少し使える時に!おすすめアイテム】

携帯用歯ブラシセット
当然ですが、コンパクトに収納できるケース付きの歯ブラシセットは、持ち運びに便利です。

・ペットボトル用キャップ
ペットボトルの口に取り付けて、少量の水でうがいをする際に役立ちます。

災害時、入れ歯はどうする?

「入れ歯が壊れてしまったらどうしよう…」
入れ歯を使用している方は、災害時に対する備えが特に重要です。

入れ歯は必ず持参する
入れ歯がないと、食べ物を噛み砕くことができず、十分な栄養を摂ることができません。
避難の際は、多少壊れていても、必ず持参するようにしましょう。

日頃から管理を徹底する
入れ歯を長持ちさせるためには、日頃からの適切なケアが大切です。
歯科医院で定期的に検診を受け、破損やガタつきがないか確認してもらいましょう。

【状況別】知っておきたい!災害時の口腔ケア方法

災害時の状況に合わせて、適切な口腔ケアを行いましょう。

1. 水が十分にある場合

普段通りの歯みがきを心がけましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシも使用し、歯と歯の間の汚れもしっかりと落としましょう。

食後は、できるだけうがいをしましょう。

2. 水が限られている場合

少量の水で歯みがきをしたり、ウェットシートや口腔ケア用ジェルを活用したりしましょう。

うがいは、コップ1杯の水を数回に分けて使う、あるいは、ポリ袋に少量の水と歯ブラシを入れて行うなどの工夫をしましょう。

3. 歯ブラシがない場合

清潔なガーゼや布を指に巻き付け、歯の表面を丁寧に拭きましょう。

唾液腺マッサージを行い、唾液の分泌を促しましょう。
耳下腺、顎下腺、舌下腺を優しくマッサージすることで、唾液の分泌を促すことができます。

口腔ケアは心のケアにも!

災害時は、不安やストレスで心身ともに疲弊してしまいます。
そんな時こそ、口腔ケアを通して気分をリフレッシュし、健康を維持していくことが大切です。

今回の記事を参考に、
「もしも」の際に備え、健康な歯と心を守るために、今日からできることを始めてみませんか?

当院では、災害時における口腔ケアについても、
分かりやすく丁寧にご説明させていただきます。
お気軽にご相談ください。

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住所

〒892-0852
鹿児島県鹿児島市下竜尾町3番14

電話番号

TEL.099-210-7836

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