口腔内スキャナーって知ってます?

2024.10.31

一般歯科

進んでいる歯科医療技術の紹介①

こんにちは!陽だまりデンタルクリニック 院長です!今回は進んできている歯科医療技術を紹介していきますね。

皆さんは歯科医院での治療と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?痛みや不快感、長い待ち時間など、ネガティブな印象を抱く方も少なくないかもしれません。
その中でも、口の中に粘土のような材料を入れて型取りをするプロセスは、多くの患者さんにとって特に苦手なものとして挙げられます。口を大きく開けたまま長時間待つのは、誰にとっても大変ですよね。

しかし、テクノロジーの進化は歯科医療の世界にも大きな変革をもたらしています。その一つが「口腔内スキャナー」の導入です。この最新のデジタル機器により、従来の型取りに伴う不快感を大幅に軽減し、より正確で効率的な治療が可能になりました。

今回は、この口腔内スキャナーについて、その特徴やメリット・デメリット、そして今後の展望まで詳しくご紹介します。歯科治療に対する不安や疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。


口腔内スキャナーの特徴

まず、口腔内スキャナーとは何かを詳しく見ていきましょう。

1. 高精度な3D画像

口腔内スキャナーは、小型の光学カメラを用いて歯や歯茎をスキャンし、高精度な3Dデータを取得します。これにより、ミクロン単位での精密なデジタル模型が作成でき、歯並びや噛み合わせの状態を立体的に把握することが可能です。

2. 非接触型で快適

従来の型取りでは、口の中に粘土状の印象材を入れて数分間待つ必要がありました。これは嘔吐反射を引き起こすこともあり、多くの患者さんにとってストレスとなっていました。一方、口腔内スキャナーは非接触型で、小型のカメラを口の中に入れてスキャンするだけなので、不快感が大幅に軽減されます。

3. デジタルデータの活用

取得したデータは即座にコンピューターに反映され、歯科技工所や3Dプリンターに直接送信することができます。これにより、被せ物や矯正装置などの製作期間が短縮され、治療の効率化が図れます。また、データはクラウド上に保存できるため、将来的な治療や経過観察にも役立ちます。


口腔内スキャナー導入のメリット

口腔内スキャナーを導入することで、以下のような多くのメリットが得られます。

1. 患者さんの負担軽減

最大のメリットは、患者さんの負担が大幅に軽減されることです。口を大きく開けて待つ時間が短くなり、嘔吐反射や不快感もほとんどありません。小さなお子さんや高齢の方、嘔吐反射が強い方でも安心して型取りが行えます。

2. 治療の精度向上

高精度な3Dデータにより、被せ物や詰め物がより正確に作成されます。これにより、装着後の調整が少なくなり、違和感も軽減されます。噛み合わせの調整もデジタル上でシミュレーションできるため、最適な治療結果が期待できます。

3. 治療時間の短縮

デジタルデータは即座に送信・加工できるため、製作物の完成までの時間が大幅に短縮されます。これにより、患者さんの通院回数を減らし、忙しい方でも無理なく治療を受けられます。

4. インプラントや自費の補綴物に有用

特にインプラント治療や自費診療の補綴物において、口腔内スキャナーは非常に有用です。高精度なデータをもとに、個々の患者さんに最適化された補綴物を作成でき、治療結果の質を向上させます。


口腔内スキャナー導入のデメリット

一方で、口腔内スキャナーには以下のようなデメリットも存在します。

1. 高額な導入費用

機器本体の価格が100万円から数百万円と高額であり、歯科医院にとって大きな初期投資となります。この費用が治療費に影響を及ぼす可能性もありますが、長期的には効率化によるコスト削減が期待できます。

2. 一部の補綴物のみ保険適用

現在、日本では口腔内スキャナーを用いた治療において、一部の補綴物のみが保険適用となっています。そのため、保険適用外の治療に関しては患者さんにとって費用の負担が増える可能性があります。ただし、インプラントや自費診療の補綴物では、その高い精度と効率性から大きなメリットがあります。

3. トレーニングの必要性

新しい機器を扱うため、歯科医師やスタッフがトレーニングを受ける必要があります。しかし、技術の習得はそれほど難しくなく、適切な研修を受けることでスムーズに操作が可能になります。スタッフ全員が最新のデジタル技術を身につけることで、より高品質な治療を提供できるようになります。


今後の技術進化と展望

口腔内スキャナーは今後もさらなる技術進化が期待されています。

1. AIとの統合

人工知能(AI)の活用により、スキャンデータの自動解析や診断が可能になる見込みです。これにより、虫歯や歯周病の早期発見、最適な治療計画の提案など、歯科医療の質が飛躍的に向上するでしょう。

2. 技術の進化

機器の小型化や操作性の向上が進んでおり、より使いやすいスキャナーが開発されています。スキャン速度の高速化やデータ容量の拡大により、さらに詳細な情報を短時間で取得できるようになります。

3. 研究と開発の最前線

新しい材料や技術の研究が進んでおり、例えばバイオプリンティングによる歯の再生など、将来的な歯科医療の可能性が広がっています。これらの進歩により、患者さん一人ひとりに最適化されたオーダーメイドの治療が実現するでしょう。


まとめと当院の取り組み

口腔内スキャナーは、患者さんの負担を軽減し、治療の精度と効率を向上させる革新的な技術です。デメリットも存在しますが、技術の進化とともに解消される可能性が高く、歯科医療の未来を担う存在と言えるでしょう。

現在当院では導入していませんが、来年には最新の国内スキャナーを導入し、患者さんに最適な治療を提供できるよう努めております。スタッフ全員が専門的な研修を受け、技術の習得もスムーズに行っています。その結果、インプラントや自費診療の補綴物において、高品質で精度の高い治療を実現しています。

歯科治療に対する不安や疑問をお持ちの方、最新の技術に興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。皆さんの健康な歯と笑顔のために、最善のサポートを提供いたします。

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