鹿児島の虫歯、どうして多い?九州のデータから考える原因と予防対策

2024.12.30

一般歯科

こんにちは、陽だまりデンタルクリニック 院長です!
今回は、厚生労働省や文部科学省の調査データをもとにしたグラフをご紹介しつつ、鹿児島県の虫歯罹患率とDMFT(むし歯・欠損歯・充填歯の合計本数)の特徴について考えてみたいと思います。虫歯が多いと言われる九州地方の中でも、鹿児島県が上位の数値を示しているのはなぜなのでしょうか? ちょっと専門的な話も出てきますが、ふだんの生活にも取り入れやすい対策や予防法を含めて解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

ライオン歯科衛生研究所HPより引用

◆ グラフが示す鹿児島県の虫歯事情

今回のグラフでは、都道府県別に3歳児のむし歯有病率と12歳永久歯の1人当り平均むし歯(う歯)等数(12歳DMFT指数)都道府県別 が比較されています。
そこには九州が全国的に虫歯が多い傾向にあること、そして鹿児島県が比較的高い数値を示していることがわかります。
DMFTが高いということは、むし歯の経験や治療痕、歯を失った本数などの合計値が多いことを意味します。その背景には、一体どのような要因があるのでしょうか?


◆ DMFT指数とは?

DMFTとは「Decayed(むし歯)」「Missing(欠損歯)」「Filled(充填歯)」の頭文字をとった指標で、それらを合計した数値で表されます。

  • D(Decayed): 未処置のむし歯の本数
  • M(Missing): むし歯などで抜歯された本数
  • F(Filled): むし歯を治療して詰め物や被せ物をした本数

この値が高いと、むし歯の経験者や治療経験者が多いことを示し、結果として口腔内の健康リスクが高い地域・集団である可能性がうかがえます。鹿児島県はこのDMFT値が比較的高い部類に入り、他県と比べても注意が必要だというデータが出ています。


◆ なぜ九州・鹿児島は虫歯が多い?考えられる要因

1. 味つけに砂糖を多用する食習慣

鹿児島を含む九州地方では、甘めの調味料が用いられる料理も多いと言われています。濃いめや甘めの味つけ自体が悪いわけではありませんが、砂糖などの糖分は虫歯菌のエサになりやすい点は注意が必要です。例えば、頻繁に砂糖や甘い調味料を摂取すると、口腔内で酸性の環境が続きやすくなるため、歯質が溶けるリスクが高まります。

2. 気候と水分補給の仕方

鹿児島は温暖で湿度も高めの地域です。夏場だけでなく、年間を通じてこまめな水分補給が必要になるシーンが多いのですが、ジュースや甘い飲料を好んで飲む習慣があると、やはり虫歯リスクが上昇します。特に、口の中に糖分が長時間残りやすい飲み方(ダラダラ飲み)は避けたいところです。

3. 歯科受診率や定期検診率

全国の自治体を見渡してみると、地域によって歯科検診や定期受診の習慣が大きく異なることがわかります。九州地方では他地域に比べて受診率がやや低め、もしくは歯が痛くなってから初めて歯医者へ行くという方も少なくないとされています。虫歯は痛みを感じるようになった時にはすでに進行しているケースが多いため、定期検診で早期発見・早期治療を行うことが大切です。

4. 家庭内での虫歯リスク共有

虫歯菌は親から子へ、または家族同士で移行しやすいものです。子どもが小さいうちに大人の箸やスプーンを共有する機会が多かったり、大人が食べ物を口移しで与える習慣があったりすると、子どもの口腔内に虫歯菌が定着しやすくなると言われています。鹿児島に限ったことではありませんが、家族間のケアや習慣が子どものDMFT値に大きく影響する可能性があります。


◆ 虫歯リスクを軽減するためのポイント

ここからは、鹿児島県だけでなく全国共通で役立つ虫歯予防のポイントをいくつかご紹介します。日頃から少しずつ意識するだけでも、長期的には大きな差となって表れてきます。

  1. フッ化物の活用
    フッ化物入りの歯磨き剤や洗口剤は、歯質を強化してむし歯を予防する効果があるとされています。毎日の歯磨きに取り入れることでリスクを下げることができます。
  2. 甘いもの・酸性飲料の摂り方に注意
    砂糖や酸を含む食べ物や飲み物は、口の中を酸性に傾けて歯を溶かしやすくします。完全に断つのは難しくても、摂取回数を減らしたり、摂取後には口をすすいだり、すぐ歯磨きをするなどの対応を心がけましょう。
  3. 定期検診を受ける
    半年に一度、または3〜4ヶ月に一度など、歯科医や歯科衛生士の専門チェックを受けることをおすすめします。小さなむし歯のうちに治療を始めれば、痛みも少なく、治療費の負担も比較的少なく済みます。
  4. 正しいブラッシング指導を受ける
    自己流のブラッシングでは、磨き残しの多い部分が生じがちです。歯並びや歯ぐきの形などは人それぞれ異なるため、歯科衛生士による個別の指導を受けると、より効果的なケアができるようになります。
  5. 家族ぐるみでの予防対策
    家族みんなで虫歯予防の意識を高め、子どもには早めに歯の大切さを伝えることが重要です。大人が正しい歯みがき習慣や食後のケアを実践する姿を見せることで、自然と子どもにも良い習慣が根付きやすくなります。

◆ 陽だまりデンタルクリニックから

鹿児島県は、九州の中でも虫歯罹患率やDMFTが高めだというデータがありますが、これは「一度虫歯になったら必ず重症化する」ことを意味するわけではありません。逆に言えば、虫歯リスクが高いエリアだからこそ、早めの対策を意識することで大きく改善できるチャンスがあります。

当院では、患者さま一人ひとりのライフスタイルやご希望に寄り添った治療計画を提案しています。ブラッシング指導やフッ素塗布、さらに定期的なメンテナンスなどを組み合わせて行うことで、むし歯を未然に防いだり、早期の段階で発見・治療したりすることが可能になります。

「歯が痛くないから」と油断していると、いつの間にか大きなむし歯になってしまうことも珍しくありません。痛みが出るまで放置せず、まずは検診を受けてみませんか? 小さな変化も見逃さず、あなたの大切な歯を守るお手伝いをさせていただきます。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
鹿児島の虫歯に関するデータは、一見すると不安を煽るようにも見えるかもしれません。しかし、正しい知識と適切な予防・ケアを実践すれば、虫歯になるリスクをしっかりとコントロールすることができます。ひだまりデンタルクリニックでは、むし歯や歯周病の治療はもちろん、ホワイトニングやインプラント、矯正治療など、さまざまなメニューで皆さまの口腔内の健康をサポートしています。

ご予約やご相談は、お電話または当院のホームページからお気軽にどうぞ。お口の健康が気になった今が、ケアを始めるベストタイミングです。あなたの歯が長く健康であり続けるよう、私たちスタッフ一同、全力でサポートいたします。

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