歯磨きイヤイヤ期を乗り越えよう!親子で笑顔になる口腔ケアの秘訣とは?

2025.06.29

小児歯科

こんにちは!陽だまりデンタルクリニックの院長です!
今回は多くの人が苦労している赤ちゃんのブラッシングに関して書いてみたいと思います。

「さあ、歯磨きの時間だよ!」

この一言で、さっきまでご機嫌だった我が子が豹変!泣き叫び、逃げ回り、しまいには大暴れ…。
毎日の歯磨きが、親子にとっての一大バトルになっていませんか?

特に1歳から4歳頃は、自我が芽生え、「イヤイヤ期」と重なることで歯磨きを断固拒否するお子さんが急増します。

「虫歯になったらどうしよう…」 「どうしてうちの子だけ、こんなに嫌がるの?」

そんな風に、一人で悩みを抱え込んでしまうお母さん、お父さんは少なくありません。

歯磨きを嫌がるのには、お子さんなりの理由があります。そして、その理由に寄り添い、少しの工夫をすることで、歯磨きの時間を少し楽にしたり、親子のコミュニケーションの時間へと変えることができるのです。

この記事では、長年多くのお子さんのお口の健康を見守ってきた歯科医院の視点から、歯磨きイヤイヤ期を乗り越えるための具体的なアプローチ方法と、意外と知られていない「使いやすい歯ブラシ」の選び方について、詳しく解説していきます。

なぜ?子どもが歯磨きを嫌がる4つの理由

まず、敵を知ることから始めましょう。お子さんが歯磨きを嫌がるのには、主に4つの理由が考えられます。

1. 口の中の違和感・痛み

赤ちゃんや小さなお子さんのお口の中は、非常に敏感です。普段、食べ物以外が入ってくることのない場所に、突然歯ブラシという「異物」が入ってくるのですから、びっくりして嫌がるのは当然のこと。

また、仕上げ磨きの際に力が入りすぎて、歯茎に歯ブラシが当たって「痛い!」と感じた経験が、トラウマになっているケースも少なくありません。特に、上の前歯の真ん中にある「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」というスジは、歯ブラシが当たると強い痛みを感じやすい場所なので注意が必要です。

2. 「自分でやりたい!」という気持ち

1歳半を過ぎると、お子さんの「自分でやりたい!」という気持ちがどんどん強くなります。それなのに、お母さんやお父さんに歯ブラシを取り上げられ、無理やり磨かれるのが嫌で抵抗しているのかもしれません。ただ、親の立場だと子供にさせると時間もかかるし、いつ終わるかわからないので、特に夜は早く終わらせて寝かしつけをしたいですよね。

3. 歯磨き=「遊びの中断」だと思っている

夢中で遊んでいる時に、「はい、おしまい!歯磨きするよ!」と言われたら、大人だって少しがっかりしますよね。お子さんにとっては、遊びを中断させられることが、歯磨きそのものよりも嫌なのかもしれません。

4. 「イヤイヤ期」の自己主張

2歳前後に迎える「イヤイヤ期」。
これは自我が順調に育っている証拠です。何でも「イヤ!」と反抗することで、自分の意思を伝えようとしています。歯磨きも、その自己主張の対象の一つになっている可能性があります。

【年齢別】歯磨きイヤイヤを笑顔に変えるアプローチ術

お子さんの発達段階に合わせて、アプローチ方法を変えることが成功への近道です。

【1歳~1歳半】まずは「慣れる」ことからスタート!

この時期は、歯磨きを「習慣」として身につけるための準備期間です。無理強いはせず、「歯ブラシはお友達だよ」と教えてあげることから始めましょう。

  • 歯ブラシを渡して遊ばせる: 安全な設計の赤ちゃん用歯ブラシを持たせ、カミカミさせてみましょう。まずは歯ブラシの感触に慣れることが目的です。
  • スキンシップを大切に: 歌を歌いながら、ガーゼで優しく歯を拭いてあげたり、お口の周りを指でマッサージしたりするのも効果的です。ちなみに私が磨くときは歌いまくってました。
  • 親が楽しそうに磨く姿を見せる: お母さんやお父さんが、楽しそうに「シャカシャカ、気持ちいいね~」と言いながら歯磨きをする姿を見せることで、お子さんも真似したくなるはずです。

【2歳~3歳】「楽しいイベント」に大変身させよう!

イヤイヤ期真っ只中のこの時期は、歯磨きを「義務」ではなく「楽しいイベント」にしてしまうのがポイントです。

  • 歯磨きソング&動画の活用: YouTubeなどで、お子さんの好きなキャラクターの歯磨き動画を見せたり、一緒に歌ったりしながら磨きましょう。「この歌が終わるまで頑張ろうね!」と、終わりが見えることも大切です。
  • ぬいぐるみで練習: 「〇〇ちゃん(ぬいぐるみ)の歯も磨いてあげようか?」と誘い、遊びの延長で歯磨きに繋げます。
  • 褒めちぎり作戦: 少しでも口を開けられたら、「すごい!お口、あーんできたね!」、少しでも磨けたら「ピカピカになったね!かっこいい!」と、大げさなくらい褒めてあげましょう。達成感が、次への意欲に繋がります。
  • 鏡を見せながら: 仕上げ磨きの際に手鏡を持たせ、「バイキンさん、いるかな~?」と一緒に確認しながら行うと、お子さんも興味を持ってくれます。

【4歳~】「自分でできた!」を育む

言葉の理解が進み、手先も器用になってくるこの時期は、「自分で磨く」練習を本格的にスタートさせましょう。

  • 役割分担をする: 「最初のシャカシャカは〇〇ちゃんがやってね。最後のバイキンマンをやっつけるのは、お母さん(お父さん)に任せて!」というように、役割分担をすると、お子さんのプライドを尊重しつつ、仕上げ磨きもスムーズに行えます。
  • 歯磨きカレンダーのご褒美: 歯磨きができたらシールを貼るカレンダーを用意し、全部たまったら何か特別なご褒美を用意するのも良いでしょう。
  • 歯磨きの必要性を伝える: 「どうして歯磨きをしなきゃいけないの?」と聞かれたら、「ご飯を食べた後のバイキンをやっつけないと、歯が痛くなって、美味しいご飯が食べられなくなっちゃうんだよ」というように、お子さんにも分かる言葉で、理由を説明してあげましょう。

意外な盲点?「使いやすい歯ブラシ」の選び方

毎日使う歯ブラシだからこそ、お子さんにとって「使いやすい」ものを選ぶことが、歯磨き嫌いを克服する上で非常に重要です。

【自分で磨く用】の歯ブラシ選びのポイント

  • 喉をつきにくい安全設計: 持ち手の部分がリング状になっていたり、ストッパーが付いていたりするものを選びましょう。
  • 握りやすいグリップ: お子さんの小さな手でもしっかりと握れる、太めで滑りにくいグリップのものがおすすめです。
  • ヘッドは小さく、毛は柔らかめ: 小さなヘッドの方が、お口の中で小回りが利き、奥歯まで届きやすくなります。毛の硬さは、歯茎を傷つけない「やわらかめ」を選びましょう。

【仕上げ磨き用】の歯ブラシ選びのポイント

意外かもしれませんが、仕上げ磨きには「仕上げ磨き専用」の歯ブラシを使うことを強くおすすめします。

  • ネックが長い: お子さんの口の中は狭く、視野も限られます。ネックが長い歯ブラシを使うことで、磨いている場所を確認しやすく、奥歯までしっかりとブラシが届きます。
  • ヘッドがコンパクト: 小さな歯を1本1本丁寧に磨くために、ヘッドはできるだけコンパクトなものを選びましょう。
  • グリップが鉛筆持ちしやすい: 仕上げ磨きは、ゴシゴシと力を入れるのではなく、軽い力で小刻みに動かすのが基本です。鉛筆のように持てる(ペングリップ)ストレートな形状のグリップが、余計な力を入れずに磨くのに適しています。

意外と知らない「360度歯ブラシ」という選択肢

最近注目されているのが、ブラシが360度ぐるりと付いているタイプの歯ブラシです。

  • どこで磨いてもOK: どの角度から歯に当たっても磨けるため、歯ブラシをうまく動かせない小さなお子さんでも、効率的に歯垢を除去できます。
  • 歯茎へのマッサージ効果も: 柔らかい毛が歯茎に優しく当たり、マッサージ効果も期待できます。
  • 仕上げ磨きにも便利: 嫌がって暴れるお子さんの歯を、短時間でサッと磨きたい時にも重宝します

どうしても嫌がる時は…「やらない」勇気も大切

色々と試しても、どうしても歯磨きを嫌がって泣き叫んでしまう日もあるでしょう。そんな時は、**「今日はうがいだけ」「フッ素ジェルを塗るだけ」**というように、完璧を目指さずに「お休み」する勇気も大切です。

無理やり押さえつけて歯磨きをすると、「歯磨き=怖いこと、嫌なこと」というイメージが定着してしまい、逆効果になりかねません。

「一日くらい、大丈夫」。

そんな風に、お母さん、お父さん自身が肩の力を抜くことで、お子さんも安心して、次の日にはまた頑張れるかもしれません。

ただし、それでも嫌がる場合は…

一日に一度どころか、まったく歯を磨かせてくれないお子さんもいらっしゃいます。
そんなときは、できるだけ早い段階で小児歯科専門の歯科医院を受診することをおすすめします

「うちの子は歯を磨かせてくれないから、仕方ない」と、半ば諦めてしまう保護者の方も少なくありません。
ですが、そのままにしておくと虫歯がたくさんできてしまい、結果的に後々もっと大変な思いをすることになります

一度虫歯がたくさんできてしまうと、小児専門の歯科医院でも治療に苦労するケースがあります。
そうならないためにも、予防の段階からプロに相談することがとても大切です

子どもの歯磨きは本当に大変です。
私自身、歯科医師であっても我が子の歯磨きに苦労することがあります。

ですが、ここで手を抜かずに丁寧にブラッシングしてあげることで、将来お子さんが歯医者さんで辛い思いをせずにすむかもしれません
大変かもしれませんが、お子さんの将来のために、できる限り丁寧なケアを心がけてあげてください

まとめ

大切なのは、お子さんの「嫌だ」という気持ちに寄り添い、歯磨きの時間を「親子で楽しむ時間」に変えていく工夫です。

今回ご紹介したアプローチ方法や歯ブラシ選びのポイントを参考に、ぜひ、お子さんに合った方法を見つけてみてください。

毎日の歯磨きが、親子の笑顔と健康に繋がる時間になることを、心から願っています。

ではでは~

アクセス

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住所

〒892-0852
鹿児島県鹿児島市下竜尾町3番14

電話番号

TEL.099-210-7836

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