歯周病専門医とは歯周病治療技術、知識に関する試験に合格した歯科医師のみ授与される日本歯周病学会が認定する歯周病の専門資格です。この資格は5年間に学会に出席して最新の知識を学び、患者さんへの治療の成果を学会で発表する必要があります。
歯周病とは口腔内の歯周病細菌が食べカスを餌にして増殖し、毒素を出しながら炎症を起こします。進行すると歯槽骨を破壊していく感染症です。
日本人が歯を喪失する原因として、むし歯を抑えて第1位になっています。
進行速度は非常に緩やかで、早い人は30代から歯がグラグラし始めます。国の調査では40代以降の8割が歯周病に感染していると報告されています。そのため、歯周病で歯を失わないためには早期治療が重要です。
歯周病はいきなり抜歯になることはありません。段階を踏んで少しずつ進行していきます。初期段階は歯肉の軽い腫れや出血から始まります。しかし、はじめは痛みがなく症状が軽いため、そのままに放置してしまい歯周病が悪化し、明らかな痛みや異変に気がついたときには歯周病がかなり進行しているケースが少なくありません。
健康な歯肉はピンク色で引き締まっています。歯周ポケットが浅い状態です。
歯肉が腫れてブヨブヨしています。自発痛はありませんが、歯みがきの際に出血することも出てきます。炎症範囲は歯肉だけになので歯垢や歯石を取り除くことで、健康な歯肉に戻ります。
歯肉炎が進行すると歯周組織の破壊が進み、歯周ポケットが少し深くなります。歯みがきの際に出血することが多くなります。
歯肉の炎症がひろがると、歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け始めます。歯肉の腫れ、出血がしょっちゅう見られ、歯が動揺し始めます。この時期になると懸命に磨いたとしても歯周病菌の増殖が抑えられないため、歯周病由来の口臭が出てきます。
この時期は歯を支える歯槽骨の半分以上が減少している状態です。歯の動揺も大きくなるため咬みにくく、噛むと痛みが出てきます。また、深い歯周ポケットから膿が出てきたりして口臭がきつくなります。さらに増悪すると歯が自然に脱落したり、痛みのために抜歯が余儀なくされます。
顎の骨全体を撮影するパノラマレントゲン、または歯・歯槽骨の状態を撮影する10枚法を実施して口腔内の状態を調べます。
カメラを使って口腔内写真を撮影して、口腔内の現状や治療成果など画像を使って説明します。
検査器具(プローブ)を歯周ポケットに挿入し、歯周ポケットの深さ、出血の有無、プラークの付着状態、動揺度などを確認します。
歯周病の治療を行う前であれば、検査値3mm以下が正常の範囲となります。
歯周病治療を自費で行う際は、歯や歯を支える歯周組織を詳しく調べるために三次元的に歯、骨を撮影できるCT撮影を実施します。
歯周病の進行度に応じ軽度・中等度・重度に分類し、適切な治療方法を実施します。
軽度であれば、適切なブラッシングや歯石除去などで改善します。
当クリニックでは、プラークが溜まる原因となる歯石を除去するためのスケーリングなどの処置を行うとともに、適切なブラッシングができるように歯科衛生士が患者さんの口腔内にあわせたブラッシング指導を行います。
また、改善しにくい場合は麻酔をした状態で歯茎の深いところまで歯石除去を行います。
中等度まで歯周病が進行している場合には、軽度歯周炎に対して実施した治療に加え、歯周病悪化部位周辺の歯肉を切開して、歯石やプラークの除去、骨の形態修正などを行う外科的処置が必要になってきます。
中等度歯周炎に対する治療と同様の治療を行っていきますが、重度歯周炎の場合は抜歯せざるを得ないケースがでてきます。しかし、ケースによって歯周組織再生療法を行うことで残すことができる場合も多くあります。
当クリニックではこのような重度歯周炎に対する歯周組織再生療法を積極的に行っております。
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